血統書で何がわかる?

血統証明書(血統書)とは

PEDIGREE_AVANT_1血統証明書とは、ジャパンケンネルクラブ(JKC)などの血統証明書発行団体に血統登録された、同一犬種の父母によって生まれた子犬に対して発行される人間に例えると「戸籍」のようなものです。純粋犬種は、この血統証明書によって、本犬、両親から祖先まですべて同一の犬種であるということが証明されます。ドッグショーや訓練競技会、アジリティーなどの公的イベントへの出場には必要になります。

血統証明書に書いてあること

PEDIGREE_AVANT_2血統証明書には多くの事が記載されています。
22・犬名:名前と犬舎名を組み合わせた正式な犬名。

犬のデータ:犬種名、登録番号、性別、毛色、DNA登録番号、ID番号、股関節評価、肘関節評価
父親と母親の血統図
登録日、出産頭数、登録頭数、一胎子登録番号
チャンピオン賞歴
発行日

メンデルの法則と血量

メンデルの法則でいうと通常の生物は2個で1組の遺伝子を持っていて、親の双方から1つずつ遺伝子を受け継ぎます。双方の親から異なる遺伝子を受け継いだ場合、多くの場合はどちらか一方の遺伝子に含まれる情報の形質が現れます。現れた方を優性、現れなかった方を劣性といいます。しかし、優良な資質が優性とは限りません。優良な資質の優性遺伝が引き継がれるか、優良な劣性遺伝子をホモ化(1組の遺伝子が同じ)されるのが望ましいわけです。
一般的に良い形質を強く固定させる目的でラインブリード(系統繁殖)と呼ばれる3〜5代間の血統上に同一個体が複数存在する繁殖法が用いられます。
競走馬の血量のように計算することが正しいかは判りませんが、3代祖(12.5%)、4代祖(6.25%)、5代祖(3.125%)の血量を持っていると考えると、参考にはなるかと思います。

具体的に言うと…

例えば、プードルで気になる毛色ですが、血統書を見て3代祖、4代祖まで全て同じ毛色でしたら、その子の子供も同じ毛色になる確率が高くなります。さらに両親や先祖のDNA(コートカラー)が判っていれば、子犬に現れる可能性のある色のコンビネーションがわかります。また、父親や母親の形質を聞けば退色やサイズも予想がつきます。よくチャンピオンの血統(血統書にはCHと表記)という言い方をしますが、なぜ先祖にチャンピオンが多くいた方が良いかというと、チャンピオンはサイズや体型、毛色など多くのスタンダード要件を満たさなくてなならず、それが確実に引き継がれているからです。単なるステータスだけではありません。勿論、大きめのチャンピオンや小さめのチャンピオン、毛色の濃いチャンピオンや薄いチャンピオンなどスタンダードの中での特徴はありますが、スタンダードを逸脱する確率は低いですし、チャンピオンの場合、資料がありますので調べることができます。
アヴァンくんとリアンちゃんの場合、血統書を見て頂ければ判るように毛色に関してはレッドの家系ですし、チャンピオンの血統でもあります。また、トイプードルに多い進行性網膜萎縮症(PRA)や膝蓋骨脱臼(パテラ)も現れていませんので、子犬達もスタンダードサイズのレッドの健康な子犬になると思います。余談ですが、最近のトイプードルはティーカップ(JKCでは認められていません)などの小さなサイズがもてはやされる反面、ミニチュアサイズの大きなトイプードル(?)が増えてきたせいか、よくタイニーサイズと言われるのですが、正規のトイサイズが自慢です(笑)