フィラリア症とは…

フィラリア症とは、犬の体内にイヌフィラリア(犬糸状虫)が入り込み、成長した虫が最終寄生場所である心臓や肺の動脈に住み着いた結果、咳が出る、息切れをする、疲れやすいなどの軽い症状から、肝臓や腎臓の機能に影響するより深刻な症状がみられるようになり、最悪の場合、死に至ることもある病気です。
イヌフィラリアは、蚊によって運ばれ広がります。犬の種類や年齢やその時の体調にかかわらず感染するリスクのある病気です。
フィラリア症は予防すれば100%防げる病気です。逆に予防を怠ると知らぬ間に感染しているということもあります。フィラリア症の予防時期は、蚊の発生と気温に関係するために、お近くの獣医さんにお聞きになって下さい。当犬舎では5月〜11月を予防期間としています。
予防方法には大きく下記の3種類があります。それぞれに特徴がありますので、かかりつけの獣医さんにご相談される事をお薦めします。

感染のステップ

    1. 蚊が、フィラリアに感染している犬の血液を吸う際に、血液中のミクロフィラリア(子虫)を一緒に吸い込み、ミクロフィラリアは蚊の体内に入ります。
    2. ミクロフィラリアは、蚊の体内で2回脱皮すると、犬への感染能力をもった感染幼虫になります。(この際に一定の温度が必要なために冬は予防が必要ありません)
    3. 感染幼虫は、蚊が血液を吸うストロー状の器官に移動します。
    4. 感染幼虫に寄生された蚊が犬の血液を吸う際に、その刺口からミクロフィラリア(感染幼虫)が入り込みます。(この状態では犬の体内に侵入しただけで、感染はしていません。当然、犬にも全く変化はありません。)
    5. 犬の体内に入った感染幼虫は筋肉や脂肪の周りなどの皮膚下で生活しながら、2回の脱皮を繰り返し、最終寄生場所に移動する準備をします。(約2ヶ月が必要とされています。)
    6. 準備が出来たフィラリアは、血管を通って心臓や肺の血管に移動してゆきます。(ここまでに約6ヶ月はかかるといわれています。)
    7. その後、オスとメスのフィラリアが揃ったとき、新しいミクロフィラリアが産まれ、また蚊によって広まってゆきます。

予防方法

1. 注射

filaria11回の注射で約6ヶ月、約1年間の予防が出来ます。1年タイプの注射であれば、ワクチンと同様に年1回、好きな時期に出来ますし、毎月の投与を忘れる心配がありません。

2. 飲み薬

filaria2毎月1回投与します。従来の錠剤のものから、チュアブル(食べる)タイプのものもあります。

3. スポット(滴下)

Filaria3皮膚に滴下するタイプです。同時にノミの予防も出来るものもあります。

当犬舎の場合

20160515_1当犬舎の場合ですが、以前は毎月投与する「錠剤タイプ(ミルベマイシンA)」でしたが、2012年から「注射タイプ(モキシデックSR-6)」にしました。ただ、6ヶ月タイプでしたので、5月〜11月ですと、最後の1〜2ヶ月だけ錠剤を飲ます必要がありました。(投薬は蚊のシーズンの1ヶ月後まで必要です。)また、子犬は体重が変化するので、1年目は投薬になります。2015年からは1年の「注射タイプ(プロハート12)」にしました。


その後、2017年からフィラリアの他、ノミやマダニ、お腹の虫にも効果のあるオールインワンのチュアブルタイプ「ネクスガード スペクトラ」にしています。